中華圏では西洋暦だけでなく、旧暦もよく使われております。この記事では、旧暦とは何か、旧暦ではどのような節句と祭日が存在し、日本にどのような影響を与えて来たかについて解説します。
■目次
▶ 旧暦とは
▶ 太陽の運行を考慮
▶ 閏月の挿入
▶ 主要な節句と祭日
▶ 春節(旧正月)
▶ 元宵節
▶ 端午節
▶ 中秋節
▶ 二十四節気
▶ 日本への影響
▶ 暦法の導入と適応
▶ 二十四節気
▶ 年中行事
▶ 文化的影響
▶ まとめ
■旧暦とは
中国旧暦(旧历、農暦、陰暦とも呼ばれる)は、中国の伝統的な暦法であり、月の満ち欠けと太陽の運行を基準にしています。旧暦は約29.5日ごとに新月が訪れるため、月の周期に基づいた暦(陰暦)です。しかし、太陽の運行も考慮されており、1年は約354日(12か月)となりますが、約3年ごとに「閏月(うるうづき)」を挿入して1年を13か月とし、太陽暦(陽暦)とのズレを調整しています。
■旧暦の主な特徴
以下に旧暦の主な特徴をご紹介します。
■月の周期に基づく
1か月は新月から次の新月までの約29.5日であり、29日または30日から成ります。
■太陽の運行を考慮
太陽の運行を基にした24節気があり、農業や季節の変化を示す重要な指標となっています。
■閏月の挿入
太陽暦とのズレを調整するため、19年に7回の割合で閏月が挿入されます。
■主要な節句と祭日
以下に旧暦の主要な節句と祭日をご紹介します。
■春節(旧正月)
春節(しゅんせつ、旧正月)は、中国の最も重要な伝統的な祝祭日であり、旧暦の1月1日から始まります。家族が集まり、様々な行事や風習を通じて新年を祝う時期です。通常、春節の祝賀は元旦から15日間続き、元宵節でクライマックスを迎えます。この期間中、多くの企業や学校が休業し、家族が一緒に時間を過ごすための大切な時間となります。
■元宵節
元宵節(げんしょうせつ)は、中国の伝統的な祭りの一つで、旧暦の1月15日に祝われます。この日は春節の終わりを告げる重要な節日であり、夜に灯籠を灯して祝うことから「灯籠祭り」とも呼ばれます。元宵節は、中国文化において非常に重要な行事であり、家族の結びつきを強めるとともに、春節の祝いを締めくくる役割を果たします。また、灯籠や元宵を通じて、明るい未来や幸福、繁栄を祈願する機会でもあります。元宵節は古くからの伝統を守りながらも、現代においても大切にされている節日です。中国各地でさまざまなイベントが行われ、地域ごとに特色ある祝賀行事が見られます。
■端午節
端午節(たんごせつ)は、中国の伝統的な祝祭日の一つで、旧暦の5月5日に行われます。この日は、勇敢な詩人屈原(Qu Yuan)の死を偲ぶとされる節日であり、龍舟競争や粽(ちまき)を食べる習慣がよく知られています。
■中秋節
中秋節(ちゅうしゅうせつ)は、旧暦の8月15日に行われる中国発祥の伝統的な祭りで、秋の収穫を祝うとともに、月を愛でる風習です。日本でもこの時期に月見(つきみ)という行事が行われ、月見団子を供え、秋の満月を鑑賞する風習があります 。
■二十四節気
旧暦の中でも二十四節気と呼ばれるものが特に有名で、中国だけでなく、日本でも古くから農業などに使われてきました。
二十四節気 | 意味 |
立春(りっしゅん) | 春の始まり |
雨水(うすい) | 雪が雨に変わり、氷が溶ける |
啓蟄(けいちつ) | 冬ごもりの虫が目を覚ます |
春分(しゅんぶん) | 昼と夜の長さが同じになる |
清明(せいめい) | すべてが清らかで明るくなる |
穀雨(こくう) | 春の雨が降り、穀物が潤う |
立夏(りっか) | 夏の始まり |
小満(しょうまん) | 草木が成長し、穂が出始める |
芒種(ぼうしゅ) | 稲や麦の種をまく時期 |
夏至(げし) | 一年で最も昼が長い |
小暑(しょうしょ) | 暑さが本格的になる |
大暑(たいしょ) | 一年で最も暑い |
立秋(りっしゅう): | 秋の始まり |
処暑(しょしょ) | 暑さが収まり始める |
白露(はくろ) | 露が降り始める |
秋分(しゅうぶん) | 昼と夜の長さが同じになる |
寒露(かんろ) | 露が冷たくなる |
霜降(そうこう) | 霜が降りる |
立冬(りっとう) | 冬の始まり |
小雪(しょうせつ) | 初雪が降る |
大雪(たいせつ) | 本格的に雪が降り始める |
冬至(とうじ) | 一年で最も夜が長い |
小寒(しょうかん) | 寒さが厳しくなり始める |
大寒(だいかん) | 一年で最も寒い |
二十四節気は、日本の農業や季節の行事においても重要な役割を果たしており、例えば、今でも立春には節分の豆まき、秋分にはお彼岸などの行事が行われています。
■日本への影響
中国の旧暦は、実は日本にも大きな影響を与えてきました。以下に、その主要な影響について解説します。
■暦法の導入と適応
中国の旧暦は、古代日本における暦法の基礎を形成しました。日本では、6世紀頃に中国から旧暦が伝来し、朝廷によって公式に採用されました。これにより、旧暦は、日本でも農業や季節の行事の計画において重要な役割を果たしました。
■二十四節気
先述の通り、二十四節気は、中国の旧暦に基づく季節の指標で、日本でも広く使用されています。これにより、農業のスケジュールや季節の変わり目をより正確に予測することが可能となりました。たとえば、立春、春分、夏至などの節気は、農作業の重要な指針であり、農業に限らず、日常生活にも浸透しています。
■年中行事
日本の年中行事も中国の旧暦に大きな影響を受けています。お正月や端午の節句、中秋節など、多くの行事は中国の伝統行事に由来しています。これらの行事は、農業や季節の変化と密接に関連しており、日本文化に深く根付いています。
■ 文化的影響
旧暦に基づく文化的な習慣も多く、日本の文学や芸術に影響を与えてきました。詩歌や絵画において、季節の変化や旧暦の節目をテーマにした作品が多く見られます。また、季節ごとの行事や風習も、日本独自の文化として発展し、今日に至っています。
■まとめ
中国旧暦(旧历、農暦、陰暦とも呼ばれる)は、中国の伝統的な暦法であり、月の満ち欠けと太陽の運行を基準にしています。旧暦は季節変化を比較的精確に予測できることから、昔は農業を進めるための重要な参考情報として中国や日本で汎用的に使われて来ました。西洋歴を基準とされる現代のでも、中華圏では、春節や中秋節など旧暦に基づいた祭日が全国的に祝われており、日本でも旧暦に基づき、立春には節分の豆まき、秋分にはお彼岸などの行事が行われています。
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